小さな願い
坂本瞳子

睡魔に全身を覆われているようだ

身体の芯が揺らぎ続け
目を閉じることも見開くこともできない

指先に力が入らず
涎が流れ続けているような
そんな気さえする

羞恥心などとうに捨てた
もしくはそんなものは
持ち合わせていなかったのか

冷たい夜風が頬を撫でる
涙一筋も流れることなく
雄叫びを上げるほどの力もなく

トボトボと歩きたいものよ
黄金の月が輝く空の下


自由詩 小さな願い Copyright 坂本瞳子 2018-02-08 22:30:53
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