水虫ジュク夫「暇なジジイ」
花形新次

夜の11時に寝て
朝の7時に起きる
昨日買った
スーパーの売れ残り100円引き
生姜焼き弁当をチンして食べる
食べ終わると
もう何もすることがない

暇をしていると
嫌な思い出が次から次と
浮かんで来る
誰にも認められたことがない
気にも止められたことがない
みんな自分のことは
忘れてしまった
そのうち
自分も自分のことを
忘れてしまうのだろう

その前に
生きてきた証として
自称句を書いた
最後の人間証明だ

脳天に刺さる鉈から冬の虹

ホームでも友だち出来ず火事起こす

霜焼けと言い張る足に白癬菌


いやはや
暇だなあ、ジジイ!働けや!
おまえに食わすメシなんかねえぞ!



自由詩 水虫ジュク夫「暇なジジイ」 Copyright 花形新次 2018-02-06 00:28:42
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