労働の闇
葉leaf



契約を結んでいく人々の群れに
時計の針は刻々と告げる
その日一日歩いていく泥濘の深さを
法は空を舞う繊細な鳥のよう
大地に降り立つことなく空想を奏でている
この日本という原始的な帝国で
呻いている数々の傭兵たちの声を聴け
俺たちは人権の子どもたち
親である人権は社会に殺されっぱなし
親殺しの復讐をするために法廷で社会に斬り付ける
社会の血しぶきはどこまでも深い黒色
俺たちは学問の兄弟
兄弟である学問は社会により幽閉されたまま
学問を解放するために社会に教養を刷り込む
社会の懊悩はどこまでも深い森のよう
俺たちは新しい世界の産みの親
子である世界は社会から虐待を受けている
新しい世界を救い出し社会を糾問する
苔むした社会はそのまま朽ちていけ
この日本という原始的な帝国が
せめて近代的な共和国へと進化するのを
そして傭兵たちが市民兵へと地位改善されるのを
日本国民が待ち受けている
黎明の朝が来た


自由詩 労働の闇 Copyright 葉leaf 2018-02-03 11:42:23
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