エーデルワイス
藤鈴呼


旦那の居ない夜 酒を酌み交わす
相手は自分の頭脳と心と身体と精神

五人に誤認 両手に華を携えて走る
へべれけの道

その先に 千鳥足でしか渡れぬ橋がある
踏み出してみるかい?
渡り切れるとは 限らないけれど

近所に 諸葛川ってあったろう?
あの語源を 知っているかい?

諸々の葛湯を集めて 風邪を治す方法より
難しいかも知れない事実が 認められているのさ

くたくたになった茄子とピーマン
彩りが全てだから 赤い唐辛子を加えなさいと
口を酸っぱくして云っていたのに
早速酔っぱらっちゃって
もう何言ってんのか分かんない

何を言いたかったのかも分かんないからいっかって
押し流そうとしている支流の先に燕が止まる

両側に飛び出した翼と 切っ先の鋭さ
クラウチングスタートの見事さに目を奪われる

物が二重に見えるのは 
ボクが酔っぱらっているからダケじゃなく

近頃 近眼なんだ この痛み
キミならきっと 理解してくれるって 信じてる

薩摩色した汁に 小口ネギを浮かべて
ついでのように取り出した 鶏ひとつ

本当の主人公は かんずりなんだ
頬ずりしながら 落ちそうな頬 ひとつまみ
御馳走様って言う前に もう一度だけ 笑ってね

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自由詩 エーデルワイス Copyright 藤鈴呼 2018-02-03 09:59:27
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