草稿⑦
よーかん

第七章

 ガテン系という言葉は都合がいい。なんとなく、その言葉一つで全てが眼に浮かんだきになれる。

 ガテンには接客業も掲載されているのだから、ファミレスで働いている連中もガテン系ではあるのだし、ガテン系と言って女性を思い浮かべるのは、現場仕事が身近な人達だけであろうと想像する。

 やはり一般的にガテン系と言うと、ワークマンで作業着を揃えるタイプのオトコ達を指していると思う。

 あのコンビニの女も、ガテンであの仕事を見つけたわけではないだろうが、一応ガテン系のヒトリになる。ただし、本人にはまったくそのような意識はない。

 名字にさん付けで、最後までオレのことを呼んでいた。

 たぶん、彼女なりのケジメだったのだろうと思う。

 さん付けで呼ばれるのは嫌いではないけれど、さん付けで呼ばれるかぎり、オレも相手をさん付けで呼ぶことになるので、最中の時、会話をするのがなんだか億劫になる。

「ナニナニさん、尻こっちに向けて突き出してくれるかなぁ?」って、やはり変だから。

 まあ冗談も、聞く人に不快感あたえたら、ああ、まあ、どうでもいいけれど。

 タバコが嫌いな女が増えた。

 タバコが嫌いなのではないと、彼女達は気付いていない。

 単純に、思い通りにならない人生に疲れ切っているだけだ。

 チンゲ生えているのか分からないような顔のオトコ達がネットに書き込む、喫煙者に対する嫌悪を超えた人権攻撃なんかは、ただ単純に、ヤツ達は街にいるだけで怯え続けなきゃいけない連中だからだ。

 まあ、この発言を、飲み込めるような奴らは、タバコくらいで目くじら立てたりしないものだ。

 オトコを憎む奴らはタバコを憎む。馬鹿にしてくれてケッコウだ。

 20世紀の偉人たちの中に非喫煙者が何人いるか数えてみろ。

 話が脱線している。
 まあいいのだけれど。

 あの女の、唯一オレがスキだったトコロは、タバコを吹かすオレを、面白そうに眺めていたトコロかもしれない。
 
 なんだか、
 なんでそんな眼でみるんだよとか聞く気になれない、
 自然体な微笑みだった。

 単純に、
 バカにしていたのかもしれないけれど。

 まあいい。
 
 考えすぎはカラダに毒だ。











自由詩 草稿⑦ Copyright よーかん 2018-02-02 21:18:43
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