歩きスマホ
花形新次

肥大した自我は
己の脆弱さをも
忘れさせてしまうから

肩が触れた相手が
ちょっとしたことで
怒り狂い
路地裏に連れ込んで
そばにあったブロックで
頭部を殴打し
車のトランクに詰め込んだ後
最寄りの山中まで行って
穴掘って埋めてしまうのを
まったく厭わない人間だとは
想像もしない

気付いた時には
もう遅いのである


自由詩 歩きスマホ Copyright 花形新次 2018-01-29 20:30:23
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