ある不器用者のソネット
ただのみきや

おり紙を折った
なにを折ってもうまくは行かず
折り目と皺は増えるばかり
可燃ごみへ向かう手前
あと 一度だけ
翼はあっても翔べない鶴か
スーッと墜ちる飛行機か

色褪せて邑になった濃紺の裏っかわ
隙間もなく尖った文字で留められた
ふるえもだえる魂は
読まれることも知られることもなく
火葬される
息のように軽く
紙よりも薄く




         《ある不器用者のソネット:2018年1月24日》








自由詩 ある不器用者のソネット Copyright ただのみきや 2018-01-24 18:05:45縦
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