家康公
服部 剛

不安定な天気に
心模様のゆらぐ時

わたしは自らの存在の
「奥の間」に
小さな家康公を据える

信長のように、要らない者を斬るでなく
秀吉のように、天下を取って豹変するでなく

――鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす

の姿で
わたしはじっと、鎮座する
静かな炎を瞳にしたた

雲間から
時勢の兆しの、射す日まで  






自由詩 家康公 Copyright 服部 剛 2018-01-19 18:22:40縦
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