重曹風呂
藤鈴呼

白い泡が むくむくと湧き上がると
美しい組手が とある型を描き始める

その一撃で倒せるものは 空いてののうみそ
相手の脳みそ 味噌味の醤油ラーメン

細く 長くも思える 縁起物の蛇
ヘビの皮で作った財布から 取り出した コイン

汗をかく度に 旅の恥を思い出し 端に寄る
夜になれば 箸を持ち 粗食をつまむ

高温になった油加減のように 浮き上がる
ぷくり ぷくりとした 透明な縁を眺めていると

妙に心地良い 若しくは 足蹴にしたい
その空間に差し込む夕陽の 切っ先を

闇に染めて 息を止めて 取り出してみる
銀色に見えた ブレスレッド 勿論シルバーの素材

机に置いて パシャリ 老いても 美しさへ駆ける執念だけは
絶対に 譲れないのだ

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自由詩 重曹風呂 Copyright 藤鈴呼 2018-01-14 15:57:15
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