夜とかばん
うみこ

かばんの底に溜まった夜を
掬い上げて何度目かの朝が来た
朝は永遠には存在しない
だけど太陽が消えたあとの夜は永遠に存在する気がする
かばんの蓋を閉めれば夜は溜まる

開けっ放しでは、
僕は僕でいられないので、
かばんは、
夜を溜めるために持ちあるいている、

筆記用具を取り出そうと手を突っ込むと
僕は夜に引き込まれる
蓋を閉じて
暗い部屋で眠る
外に朝が来ても
僕はかばんの底に横たわっている
カーテンを開ける
朝が僕を掬う
僕は眩しかった
差し伸べられた手が眩しかった
夜は美しかった
かばんの蓋の端から
見えた星も
同じくらい美しかった

僕は全てを光で満たしてしまうことをやめた
そうやって夜を持ち歩くことにした


自由詩 夜とかばん Copyright うみこ 2018-01-13 02:42:44
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