春が来る




あたたかいのか


寒いのか

決めあぐねていたら

強い風が一陣吹いて

今年も春が来る

親戚の子供みたいだ

時季外れに遅れて来た

愛おしいちいさなぬくもりを

俺は完璧に迎え入れようとして焦る







何やってるんだほら

すぐに湯を沸かさないかと

馬鹿だなお前は

飯が先だろ

布団はそれぢゃないだろ

もっとふかふかの西川の

ほらアピタの

歳末感謝祭で買った





羽毛のがあるだろうがと



















連れを叱って睨まれている




あ？




どした急に？




と睨まれているが













絶対にそっちは見ないのがポイントだ








絶対に決して見ない










毅然として見ない



















































当たり前だろうが


俺はちょっとでもいい所を見せたいんだ


親戚のかわいい女の子に































春の為に俺は豆入りの餅を焼いてやる



春の為に俺はボドゲ屋に車を回してやる




春の為に俺は学校で繰り広げられているイジメの本当のラスボスは誰か推理してやる




春の為に俺は柏手を打つ




春の為に俺は出店のベビーカステラ屋にも食って掛かる




春の為に俺は













































































































































































































































春が無事に



(私鉄にひとりで乗って！)



今年も来てくれたから










僕はとても気分が良い































強い風の日に






























脱ぎ捨てるべきか





重ねるべきか


































よく分からない日に















































































































空を見上げたら



春によく似たお前の



笑い皺が蘇って映えて



































































































































































































今年もよい年でありますように
今年もあなたにとって良い年でありますように
というタイトルで何か一個
フォーラムにでも書きたい気になった