秋蒲公英
藤鈴呼


根本から抜きとるコトは不可能
地下系が発達している

アカカタバミのように 繋がって仲良く出て来てはくれない
血止め草みたいに 可愛らしい苔を いじめぬきは しない

茎の隙間から ミルクが流れ出す
赤ん坊に飲ませたら 
苦くて吐き出してしまうよ

汚らしい言葉も
愛嬌だけの笑顔も通じない

純真無垢な花嫁に
貴方が言える台詞は たった一つ

ありがとう
そして またね

春になったら また会おう
ギザギザの葉が 可愛らしくも思えるね

ヒイラギの季節だから
指先に触れた 冷たい感触ごと
憶えておいで

きっと
きっとよ

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自由詩 秋蒲公英 Copyright 藤鈴呼 2018-01-07 00:46:27
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