お正月のお月さま
秋葉竹

月を見ましょう。
中天の月。
お正月の月が、こんなに綺麗な年は、
きっと、いいことがありますよ。


その月をみて、
そう、おもって、
そう、伝えようと、思ったんだ。


ほら、観て?
夜空に白い雲が浮かんでるよ?

「……」

珍しいでしょ、夜に雲が視えるなんて。

「…そお?けっこう視える日、あるよ。」

ふ、ふーん。
あぁ、いま眼鏡掛けてるからかな、
いつもは、見えないの、私、……
……
でね、
どうして、雲が白いと思う?

「さあ?……」

それは、月がとっても綺麗だから。

「…綺麗?……明るいってこと?……」

そう!すっごい、でしょ?あの月!
満月!
ほら、あのあたり、明るくて
青空みたいになってるよ。

「いや、そんなことはないよ……」

そう?でも、きれー、こんな月観たの
いつ以来だろう?

「そうそう、さっきの続き、なに食べようか?」

きっと、あの空に誰かいらっしゃって
今年一年いい年ですからねーって、
ああして、魅せてくれてるのね?

「……で、なに食べたい?
そっちに、あわせるけど?」

きっとあの綺麗なお月さまは、
神さまがふたりに魅せてくれてるのね?

「…え?それさっき聞いたよ?」

ええ。2度目ですから。「2度」いいましたから!

ところで、これは、何度目かしら?

《月が、綺麗、でしょう?》


自由詩 お正月のお月さま Copyright 秋葉竹 2018-01-01 19:52:31
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