年の瀬2017
はだいろ

ディスクユニオンの池袋店で、
RCサクセションの「涙でいっぱい」のプロモ7インチシングルが、
98,000円の値が付いて、飾られていた。(桁違いではない。)
もちろん初めて見た。
買えはしないが、手に取って、ジャケットを眺めるのは自由、
そしてなんて自由なジャケットの3人、
「シングルマン」へやがて連なっていく東京の地方都市の、
色褪せたまま焼き付けられた青春。
ああ欲しい。
買いませんけど、ええ。
もう少し値落ちして・・・バーゲンで何%かオフになれば・・・
いや・・・さすがに・・・
買いませんてば・・・たぶん。


だいたい今年は、レコードを買いすぎた。
停滞している僕の人生。
停滞をどう捉えるかという、
答えのない課題。
風俗では相変わらずよく遊んだけれど、ちっとも面白くなく、
成績は壊滅状態であった。
どうして、あの頃は、あんなに、奇跡的ないい子にたくさん会えたのだろう。
これは僕側の問題だとここしばらく、結論づけようとしていたけれども、
もしかしたら、
まるで溶解していく日本そのものと、
ああいう業界ですらシンクロしているのだろうかと、
ちらっと、
あまりにもひどかった一昨日の女を思うにつけ悩んでしまう。

よほど、苦情のアンケートを書き込もうかと思ったけれど、
面倒くさくなってやめた。
しばらく、河岸を変えようと思う。
風俗遊びなど、やめればいいものを、
酒も飲めないしギャンブルはやらないしで、
買うくらいしか楽しみがない。
でも落語で言えば、もうご隠居のような年齢なのだろうか、僕も・・・


立川談志の良さがちっともわからず、
もうわからないままかと思いきや、
先日、図書館に本を返しに行ったら、たまたま、
僕の前の男の人が返しに来ていた、CDボックスを借りることができて、
このところ、Ipodでずっと聴いていたら、
うーむ、
これが、いいのである。
どこか、江戸の暗闇に、絶望して、一人打ちひしがれる、
孤独が、すっと身にしみた。
迷い込んでしまった、
ゾッとする感じ・・・


年明けの、三三と、談春のチケットが取れてよかった。
来年はきっと、大していいことはないだろう。
もうそう思った方が楽だ。
スターウォーズの新作だって、きっと、大したことないだろうと、
思って見たから、
その通りでもまあまあ楽しめた。
そうだ、きっと、これから、大していい未来など待っていないのだ。
うん。
だから、せめて、今日も、一つだけ、胸を張れることをしよう。
なんだか明るい気持ちになる・・・


あと2017年もわずか。
もうレコードは買いません。
風俗にだって行きません。
ああでも、あのレコード、もう少し安くなるまで、
どうか売れませんように・・・
いや、買いません、買えませんけど・・・









自由詩 年の瀬2017 Copyright はだいろ 2017-12-28 15:17:41
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