秋苺
藤鈴呼


甘酸っぱさを 切なさの渦に埋め込んで
形を当てるゲーム
流行りの流木に載せた ラブソング
エンディングだけ 見つからない
どんな打楽器よりも 心地良い音を見つけた
それは潮騒 打ち寄せては戻り 戻っては飛び越える
岸壁の導

岩の間に藻が蹲っては 寒いと嘆く
風が強いからね こんな日は 身に纏うコートが必要でしょう
今度 小枝を編んで 造ってあげる
そんな約束も 思い出した

塩漬けにされた胡瓜が 少しずつ色を失い
若木の萌える季節を 思い出しそうになる頃
空に虹が掛かる
何だか楽しそうな雰囲気だと 首を突っ込んでくれば
ミストシャワー
首元が やはり ひんやりとする
寒い、寒いよと また 嘆いている

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自由詩 秋苺 Copyright 藤鈴呼 2017-12-27 01:34:33
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