風呂敷のなか
服部 剛
風呂敷の歴史を
遡
(
さかのぼ
)
ると
古の都栄える奈良時代
唐草模様はなかったが
目には見えない<宇宙ノ心>とやらを
きゅっと包み
人間は、運び始めた
平成二十九年の師走という
少々冷えた時代の夜道を
僕は「けせらせら」の鼻歌まじりに歩く
(路面にのびる自らの影と共に)
すまーとふぉんから
しょーとめーるをひとつ、送信
腹を割って話せる友人宅の玄関へ向かって
足の向くまま
気の向くまま
風呂敷包みの一升瓶を、ぶら下げて
自由詩
風呂敷のなか
Copyright
服部 剛
2017-12-26 22:03:07縦