藤鈴呼


広い草原を 横切るキツネ
お前の尻尾には
昔っから 馬鹿されて来た

ちょっと白くて
または茶々くて
フサフサで
可愛らしいからと言って

オレはもう
騙されないぜ

素手で触る危険は 熟知している
やつれた表情で やるせなさを
目一杯に描いて
芝に埋めた

碁盤の目ならば 黒か白
置く石は 決まっているから
奥行の長さも高さも
関係無いのでしょうに

事細かに 指示を出す
次の一手はこう
まるで将棋戦

闘う前から 結果が分かっているかのような
痩せこけた狐
お前は 女狐か
雄々しく化かすのか

草原の向こうには 沢山の牛
モー沢山 藻色をした草を食む姿が
夕暮れの隙間に 色濃く映った

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自由詩Copyright 藤鈴呼 2017-12-26 08:45:49
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