飛び込んだ2017。冬物語。
水戸 うしん


右肩を叩かれ、
涙が止まらなかった。


左肩を叩かれ、
おんおん。泣いた。


泣き出した時
意識がとんだ。
両肩を支えられていた。



冬。東京駅。

人だらけ。

こんなに居るんだぜ。人が。

でも独りなんだ。



ぶつかりそう。
するり。かわす都会人。

ぶつかって、ごめんなさい。
この一言すら言えない。


言わせない。都会人。




あ な た、はどこにゆくのですか。

わ た し、はどこにゆくのですか。



そうね。


あ な た。は
左斜め下。

わ た し。は
右斜め下。


×


だから列車に乗って
大きな、大きな、
ほ乳類に飛び込んだ。


自由詩 飛び込んだ2017。冬物語。 Copyright 水戸 うしん 2017-12-26 08:17:30
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