苗名滝
藤鈴呼


ほんのちょっと 寒そうな色合いを連れて
風がやって来た

パブロフの犬の代わりに
パブロンをゴクリ

喉を伝う ソフトクリームの滑らかさに
舌鼓を打つ頃

意思を持った石を包む
水流の隙間が見えた

空気の層は はるか透明で
ちょっと見には 分からなそうではあったが

目を凝らしてみると
存在感を 増すのであった

そのまま
そのまま

テイクアウト
テイクオフ

大縄跳びを 飛び越える瞬間のように
ゴム跳びをした 少女時代を 連想する

ここで ジャンプをすれば
越えられる筈だった

はす向かいの蓮の花
蓮華色に 微笑む夕べ

灯りを探す
出口は どっちだ

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自由詩 苗名滝 Copyright 藤鈴呼 2017-12-25 18:35:12
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