芙蓉
藤鈴呼


陽射しに照らされた横顔
月明かりに包まれた素顔
どちらがどれだけ哀しいか

朝になれば
コケコッコ―の声が 高らかに響き
この世の邪悪はナンセンスであると
信じられる?

夜がくれば
アンドロイドの姿が 賑やかに観え
あの世の天使はコモンセンスかもと
歌い始める

刈り取られた稲穂の代わりに
田の色合いを鮮やかなまでに
七変化させる存在

道端の彼岸花には 毒があって
ネズミを追い払う意味が あったのだと知る

あれは 鶏の華
コケコッコ―の花だねって 昔 呼んでた
楽しそうに唇から放たれた音も
今は遠い

少し明るくなった左頬
未だ暗いまんまの右胸
ホロスコープで描く予定の胃袋
笑い袋は幾らでも膨らませてあげる

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自由詩 芙蓉 Copyright 藤鈴呼 2017-12-22 00:19:23
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