或るピアニストに
服部 剛

((快晴ノ日))

友の死を越えて
飛躍する
我が魂

深夜の只中に
くるまる
(sanaka)
開かれる
ひかりの世界

疾走せよ

この一度きりの道を
自らのからだを忘れるほどに
無重力の時へ

滑走路の日々を、走り抜ける

わたしの
goganfuson
なほどの・・<<岩>>の只中に
碧い光を放射する
御魂みたま
宿る

(分解セヨ)

言葉を
人を
世界を
我を

   *

ピアニストよ
鍵盤から
夢を奏でよ

お前が指を置く時
世界は音楽になる

たち昇る
waveのからだの核に
小さな丸い
真空の穴が空いている

旅人の足音は
同時平行の
二重奏

ゆけ

せいれーんは
木枯しの
只中に

 ~
 ~
 ~

mieru

 ~
 ~
 ~

(あのひとの・・瞳よ)

やがて
全ての物語は
機織はたおられてゆく

わたしは生きる

見エナイ宇宙に
繋がりながら
た・た・た・た・んのリズムで

ピアノと
人間は
一つになる

軽やかな限界の線を往く者が
この世の平均台を伝うだろう
両腕の tsubasa をひろげて

   *

今宵、わたしは視る
この夏に旅立った
義父の

右手を  






自由詩 或るピアニストに Copyright 服部 剛 2017-12-21 21:48:23縦
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