陶芸家とわたし
服部 剛
わたしは回る器
道を歩くとき
佇むとき
疲れた夜、布団を被り目を瞑るとき
いつも
わたしの存在の中に立つ芯は、回転している
目には見えない陶芸家の
血液が流れる透明の手に
ふれられて
形造られてゆく
わたしの回転は
緩
(
ゆる
)
やかに加速する
*
陶芸家の住む家の
土壁の窓から
和
(
なご
)
やかな
日向
(
ひなた
)
のそそぐ朝も
豪雨の声が地に騒ぐ昼も
冷えた風の吹き抜ける夜も
わたしという器は回り続ける
生きる歓びにもがきながら
自由詩
陶芸家とわたし
Copyright
服部 剛
2017-12-14 20:14:42
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