ひとりぼっちのこころは栗
凍湖(とおこ)

ひとりぼっちのこころは 栗だ
かたいトゲトゲ
その下に
カブト虫の羽のように さらにかたい皮
もひとつ下に
渋皮につつまれ虫食いにあっている

虫食いのあなから、ひゅーひゅーと漏れている
死にかけの喉のようにさみしさが鳴る

誰だ、こんなアナを あけたのは
どうやったって埋まりやしない

誰だ、こんなアナを ふさぐのは
どうやったって苦しくてしかたない


ひとりぼっちのこころは かたくなな栗だ
トゲトゲで すかすかの 虫食いの栗
ウニとも違う、ハリネズミとも違う
地面でじっとしてる青い毬栗(いがぐり)



自由詩 ひとりぼっちのこころは栗 Copyright 凍湖(とおこ) 2017-11-25 02:25:28
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