今日は『勤労感謝の日』
秋葉竹

勤労感謝の日で休日。
「おれって、アラジンの魔法の精みたいじゃない?
起きたら、洗濯も終わってるし、洗い物も溜まってないし」
横で洗い物をしている私に
感謝の一言もなく、
冷たい視線を一瞥くれると
我が愛(?)妻、
「キャラ的には、そうやね。ジャファーやったっけ、ジーニーやったっけ?」
「魔法の精は、ジーニー、ジャファーは魔法使い、わるものの」
「まぁ、どっちでもいいんやけど、そのへん。あたしは7匹の小人がいいな」
「?」
「………」
「え?なに?どういうこと?」
「キャラのはなし、寝てるあいだに靴作ってくれてるのは、可愛い小人のほうがいいの」
「……まず、はなしがごっちゃになってるよね、7匹の小人は、白雪姫、靴作ってくれるのは別のはなし。それに、小人はーー」
私の言葉にかぶせるように、
「7匹て、あんさん、小人さんのこと人あつかいしてまへんがな」
と、赤ずきんちゃんの狼みたいな変な声で、
聞いたこともない関西弁で、
「違う、違う。君が、先にそういったからッ。それに今まさにそれを訂正しようとしてたところ…」

愛妻「ウヘヘヘヘ、
あんさん、そないなテンゴウゆわんといてくださいね。
うち、そんなかわいそうなこと、よおいいまへんえ」

私「な、なに、その気持ち悪い関西弁、それに『ウヘヘヘヘ』って、それ、わるもの笑いじゃない?あきらかに、君がわるものキャラやってるし」

愛妻「ウヘヘヘヘ
関西弁が気持ち悪いって、
あんさん、全関西人二千万人を今、敵にまわしてますねん」

私「違うって。そんなこと、ゆうてへんて。てか、そんな『ますねん』の使い方、せえへんやろ?」

愛妻「ふふ、やっとでたわね、あなたの関西弁、気取ってあっちの言葉ばっか使ってるんやないで?って、なんか、言葉つかいおかしいままじゃない?あたし……まぁ、いいけど、フーー、きょうもきんろう、おつかれさま、フーフーー」

って、私の隣で換気扇にむかって煙草の煙を吹き上げている彼女。
真横で吸いながら、匂いの嫌いな私に、まるで嫌な思いさせないなんて、なんて優しい吸い方するんだろ?
てか、匂いを消す魔法使える、彼女自身魔法使い?うそ、それとも心を見透かす、魔女?まさか?

愛妻「ウヘヘヘヘ、しらねーよ」

でも、彼女、勘違いしてない?
本来、勤労感謝の日だから
いつも勤労してない自分が働いて、
私に楽をさせるべきであって
感謝を言葉にするけど、働かせる、って
あきらかに、『勤労感謝』を間違ってるよなぁ。

愛妻「…………知ってて、いってるの」

絶対、ウソなのは、私でもわかるが、

えっ?

でも、彼女って?
ホントに心が見える魔女?


自由詩 今日は『勤労感謝の日』 Copyright 秋葉竹 2017-11-23 15:55:58
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