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竜門勇気
この見渡すかぎりの
芽吹きの果てに
わたしは満ち満ちて
君がそういわなくても
俺には
この全てに
問わず語りで
君の影を見ている
名前をつける前に
消えてしまった朝にも
名前をつけた途端に
誰かが持っていってしまった
夕暮れにも
眠る時には
靴下の片方を
抱きしめていたり
ゴムホースに
愛を囁きかけていたり
薄暗い場所に
詰めかける墓標製作所
今日こそはって
唇の端を舌で触る
自分の名前がないことに気づいて
ポケットを探る
ない。ないはずないよね、探さなきゃだし
見つけなきゃだし
けどないから黙って墓標を睨んで
そんなことで
寝起きにはもう
世界は君で
君という名のペンキで塗られた全てに
囲まれて寝ぼける
寝ぼける毎朝なんだ
そしたら
いー具合いで
いー具合いで
爪先で回ってみる
そうだ
愛なんて愛だけのこと
感情なんて
感情だけのこと
そうだ
本当のところ
愛の実体なんて
小さなブロックで
精密に繋がった広大なパズル
出来上がった奇妙な模様を
ありがたがってるんだ
美しく思えるんだ
美しく思う生き物なんだ
僕らはそういう風な生き物
僕は君と生き物
僕はものすごく君と生き物
君が解るように僕はわからないし
僕がわかるようには君はわからないけど
僕は君と生き物
僕はものすごく君と生き物
自由詩
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Copyright
竜門勇気
2017-11-23 10:59:32