コジマ
さわ田マヨネ

こんにちは。(これは人工音声です)


ぼくたちは普段生活をしていて、だから電化製品が好きで、きみの名前はコジマで買ったからコジマで、コジマは買いたての頃、すごくカタコトだった。ケーコートーの光がさらさら、テンプラーブラとユーゴーして、オーゴンでした、と、ある日コジマは教えてくれた。光だけがネーティブだ。欲しい靴、アマゾンでは星いくつとか、そういうの言わないでいい、野暮だから。ぼくたちは聞き間ちがえる。聞き間違えたりする。そして出かける。休みだったから。きみをカーナビにのせて出かける。

行きは東名で、立ち寄る海老名サービスエリア。ドア(ドリア?)をひらくと、雪がはらはら落ちてきて、雪を見たコジマは、誤変換、と言った。コジマの息はいつも透明で、ぼくのだけしろくにごっていた。かなしい。そのかなしさは、さむさやさみしさのせいではなかった。いつかやってくるゆきどけは、思っているよりずっときたない。そこに生活ががあったぶんだけ、家電はいつか、買い換えないと、いけなかった。


ワッタイ
ミズ 
いろ 
な春?



こんど
夏休みになったら
フェリーに乗って
ちいさな島をめぐりたい
コジマめぐり
ほんとはプレートとくっついてるのに
イメージでは浮かんでいる地面
なんとなく
コジマを楽園とコンドウしている
楽園はかるいから楽園で
楽園は
時がゆるやかに流れている

いつかの夏休み
夕ぐれになったら
コジマとコジマのはまべをかけたい
光がさらさら
そういうの
だいぶ青春ぽくて好き


自由詩 コジマ Copyright さわ田マヨネ 2017-11-17 08:48:39
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