きみにとっておれが善良でなくとも
中田満帆

 すべての郵便局が驟雨に呑まれてしまうまえに
 メルセデスを叩き潰し
 それからふたりで甲殻類を喰いにいこう
 文鳥が鳴きやむまで
 腹いっぱい

 タクシーは油虫みたいにロータリーで睦む
 けっきょく選択肢はどこにもない
 あるいは恋人たちとともにして
 アスパラガスにしがみつく

 幸運、それは天使の唾
 大勢のひとびとが
 偶然と必然を取りちがえ
 真っ青なソフトの鍔に手を手をかけてる

 おはよう
 おれの悪友たち、そして悪運たち
 名づけられたもの
 名づけ得なかったもののためにメッサーシュミットに乗り込んで
 銀色の類人猿を観賞する
 おそらくおれがしてやれるのはもっと最悪なやり方で
 きみの善良さ、きみの美しさを讚えること
 胸いっぱい



自由詩 きみにとっておれが善良でなくとも Copyright 中田満帆 2017-11-14 11:26:54縦
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