太陽の実
藤鈴呼


枝の隙間を埋める
幾つもの とろけそうな太陽

光が集まると
何か 楽しいことが やって来る

子供心に わくわくしたことを
今 こうして 思い出してる

ねえ 見て?
お正月に お餅を挿すでしょう

赤い南天の実は 未だ
今の季節は 緑か茶なの
そんな風にね

紅白の お餅を 枝に差して
美しいねと 呟くでしょう

水を差す 台詞なんか 一切なくって
唯だ 楽しんでいれば 酔える夕陽が
この世に 幾つ 在るのかな

とろけそうな太陽の実を
一粒 くださいな

出来れば ぬくたまる風味の
心地良い角度の

美味しい雰囲気の広がる蔦が良いな
灰色の壁面を 愉しく着飾って

空まで 舞い上がるような
太陽の実を

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自由詩 太陽の実 Copyright 藤鈴呼 2017-11-14 10:23:43
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