洗浄
乱太郎



払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい

リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中身は空であることに気づかない
私はいずれ埋められる

生きている意味という
正解が見つからない数式の森で
赤い林檎を手にした魔女

無色な生地に二本の針が泥を付け
コインランドリーでの洗濯機の中いつの間にか
一件の一人称が消滅した



自由詩 洗浄 Copyright 乱太郎 2017-11-12 11:51:44
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