草野春心



  足したあとで引いた
  寒い店で電気ブランを飲む
  夜の新宿 昔の女の耳の形で
  魂は柔らかくこごっている


  お前には情熱というものがないと云われた
  凩に鋭い尾をたてて猫があるく
  師走になろうとしている
  足したあとで引いた




自由詩Copyright 草野春心 2017-11-11 10:13:33縦
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短詩集