命令従事の秋晴れて
しょだまさし

「六年の今年が最後なの」


今一番の頑張り時
将来の出世も約束される
だから休養させてほしかったが
結局口論の末折れた
もう口も聞きたくない

そして当日この歳で
大勢の人で賑わう中
全力疾走をしている

恋人時代にさえも
一度、二度
あっただろうか?
名を呼ばれて戸惑う
その手を取り
抱き上げてまた走った

息が苦しい…
けどお父さんは
何事も真剣に勝負する
雄姿を見よ我が子よ

幸い観衆も味方し
大声援を送ってくれている

それにしても誰だ…
借り物競争の紙に

“愛する妻”
なんて書いたのは…


自由詩 命令従事の秋晴れて Copyright しょだまさし 2017-11-07 17:27:45
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