冬茜
藤山 誠
窓を少し開けると
冷たい風が耳を冷ます
匂いはせず
音は尖って聞こえる
虫はいなくなる
喜んでいなくなる
葉は散ってゆく
喜んで散ってゆく
重い雲と張り詰めた空気
灰色の世界の歓喜
自由詩
冬茜
Copyright
藤山 誠
2017-11-07 06:02:03