人工甘味料着色料無添加
西塔

限られている時ならば、砂糖菓子で埋め尽くされてしまう
傘で防ぐことのできる散弾銃は、トリックオアトリートで飴を降らしてくれるおもちゃの銃に見えたから、そんなものに心臓を射抜かれたぼくは、容赦なくシロップ漬けにされて身動きが取れなくなってしまった
コチニール色素のないイチゴミルクなんか飲めたもんじゃないんだろうけど、ピンクじゃないイチゴミルクなんてもっと不気味で飲めやしないや

甘いものが好きな君だって、本当のところはかなり、甘ったるさにやられてしまってる
つまらない嘘はやめよう
本当に愛してるよ

26回くらい聞いた愛の言葉の糖度が少しずつ落ちているのにそろそろ気づいてるんだろう

歯の奥でコーヒーカップの底に溜まった上白糖をすりつぶした
愛していると、歯が浮くようなことばも、強烈の甘さの中の頭痛での目眩が恋心のように錯覚してしまっている
本当に


自由詩 人工甘味料着色料無添加 Copyright 西塔 2017-11-07 01:37:32
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