かたち くぼみ
木立 悟







床の瞳
傷の瞳
階段の球
水の震え



櫛の先が
標に刺さり
白く白く
咲いてゆく



流木のはざまを流れゆく
骨の行方をひとつ知るとき
咆吼を 雑音を
群青の浪が呑みこんでゆく



落ち葉を避けることもできずに
言葉は径に倒れゆく
かがやく球と
双つのまばたき



雨が去り また 雨が来る
褒美の夜のひと呼吸
きらびやかな傷
水のつらなり



どこまでも区別の失いものが
重なりそしてかがやきながら
光のしずくを落としながら
羽と手と花の姿に昇りゆく

































自由詩 かたち くぼみ Copyright 木立 悟 2017-11-05 20:42:15
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