さよなら
寒雪

棺に横たわって
昼寝してるみたいな
穏やかな表情のきみに
さよなら
なんて乾いた言葉を
見下ろして呟いた
あれから随分と
季節は追いかけっこを
何度も繰り返して
今ぼくは
棺の中にいるよ
そこにいるみんな
あの時のぼくと
似たような
無味無臭の
さよならを
ぼくに吐き捨てて
見下ろしていくよ
みんなの
心にもない言葉を
奥歯で噛みしめながら
ぼくは
どんな顔をして
あの世へ向かったら
いいんだろう
苦笑いでも
していようかな
皮肉屋だったぼくには
いかにもお似合いだよね


自由詩 さよなら Copyright 寒雪 2017-11-04 22:06:18縦
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