散歩しながら
吉岡ペペロ

ぼくらはぼくらを中心とした宇宙しか持っていない

ぼくらはぼくらからしか世界を考えられない

なのに地動説がまかり通っているのがとても不思議


犬の散歩をするひとが冬の街角に消えていく

ぼくは空を見てさっきからついて来ている鳥の散歩をする

昼間オリオンがある空にはオリオンが見えないと思う

それどころかまったくちがう宇宙から見れば

まったくちがうかたちどころかその宇宙にはオリオンはない

鳥はぼくについて来ているわけではないだろう

ただその範囲の空間を翔んでいるだけだろう


ぼくらはぼくらを中心とした宇宙しか持っていない

ぼくらはぼくらからしか世界を考えられない

なのに天動説がまかり通っているのがとても不思議








自由詩 散歩しながら Copyright 吉岡ペペロ 2017-11-04 21:51:39
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