perfect
ゼロハチ

いつもあなたは完全だった

手を伸ばせば星が降り
振り返れば朝日が昇る

雨の日も風の日も
あなたが歩けば花が咲いた


世界はあなたのためにあった

それほどあなたは完全だった

それでも
いつからだっただろう?

あなたが時々
寂しい顔をするように思えたのは


恋をしたときから?
肌を隠すようになってから?
優しさは弱さだと責められたときから?


愛とはこんなにも奪うのだ

夜よりも深く
海よりも限りなく


そしてまた思い知る
苦しみや悲しみを隠さない

そのようなあなたもまた完全だ


神は美しく

光は眩しいものでなければならないが


あなたはそうでなくてもいい
(人の子はひとだから)


男だからといって強くなくても
女だからといって弱くなくても

そのどちらかだと決めなくても

その生きづらさを抱えた形は美しい


完全なものを目指して
闘いは終わらないだろう

だが争いは終わらせなければならない

あまりにも短い命には

いがみあう暇などなく
愛に費やす時間しかないのだから


完全なものは美しいが
完全はあなたの中にある


誰にも言わない願いごとでいい

完全なものはいつもあなたの心にある





自由詩 perfect Copyright ゼロハチ 2017-11-04 19:48:48
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