あきらめのわるい
坂本瞳子

左の肘の曲がり具合が気に入らない
ふと、そんなことに気づいた

角度を変えてみたり
腕を上げてみたり
手の平をひっくり返してみたり
肩をまわしてみたり
顔の向きを、そして
身体のいろんな部位の
向きや角度を変えてみたり

鏡に映して見たり
上から横から下から見たり
斜めの角度から見上げてみたり
這いつくばった姿勢になって見たり

思いつくことはしてみたけれど
なにをどうしたって気に入らない

形状の問題か
気の持ちようか

所詮自分などこんなものだと
諦めたい気もするのだけれど

それでもまた
見てしまうのだ


自由詩 あきらめのわるい Copyright 坂本瞳子 2017-11-04 11:38:24
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