蜃気楼を食べて生きている
瑠音


「蜃気楼を食べて生きている」


白昼夢 さよならはとうに終えていた
指先にかみさまを住ませた日から
居住まいを正して
日々是藹々と笑って生きる

陽炎 揺らめき 影送り
爪先から出ていった記憶は
今空に立ち上って白く踊って
ちぃちゃんの
今になって心刺す
読み古された物語

古今東西 我々は宇宙人である
海より広いものなど空しか知らず
古今東西 我々は宇宙人である
焦がれ焦がれて空を目指す
只々それだけのもの

青天井 この国に生まれて
贅沢な我が儘で今日まで生きてきた
飢えることなく 平穏無事に
それ以上を求める我が儘で
生きて来て 生きて往く

只々 それだけのもの


自由詩 蜃気楼を食べて生きている Copyright 瑠音 2017-11-01 13:05:17
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