My sorrow
草野春心

  かなしみの
  直方体は
  藍色の布に 屹立したまま

  *

  僅かばかり
  目を凝らすと
  覚醒した レールの冷たさ

  *

  明らかに 二つ以上の
  時の 長紐たちが
  経験へ ぶらさがっている

  *

  こそぎ取れる
  闇の 温さだけで
  組成された ジェルを啜る

  *

  舌の上で
  喉飴が融けるように
  やがてわたしが あなたを拒むのかも

  *

  麦藁帽をかぶり
  苔むした 階段を
  昇った……

  *

  月光の銀色が
  夏の向日葵を冷やしていく
  わたしたちは いつまでも似ている

  *

  ぶってほしい
  魂の
  頬を
  
  *

  此処は 壊れていく
  言葉だけ話していては
  歌うこともままならない

  *

  しーんとした
  透明の
  骨




自由詩 My sorrow Copyright 草野春心 2017-10-29 22:41:03縦
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