かなしみの 直方体は 藍色の布に 屹立したまま * 僅かばかり 目を凝らすと 覚醒した レールの冷たさ * 明らかに 二つ以上の 時の 長紐たちが 経験へ ぶらさがっている * こそぎ取れる 闇の 温さだけで 組成された ジェルを啜る * 舌の上で 喉飴が融けるように やがてわたしが あなたを拒むのかも * 麦藁帽をかぶり 苔むした 階段を 昇った…… * 月光の銀色が 夏の向日葵を冷やしていく わたしたちは いつまでも似ている * ぶってほしい 魂の 頬を * 此処は 壊れていく 言葉だけ話していては 歌うこともままならない * しーんとした 透明の 骨