敵の無いエゴイズム
えこ

空振る言葉
届かない視線
拳を握り締めたせいで
自分の爪が掌に食い込み 血を流す

何かに怒りを覚えた
世界は理不尽に思えた
社会はくだらないと嘆いた
貴方はそんな私を笑った

どうしようもなかった
自分でもわからないくらい
私はエゴイストだった
貴方はそんな私を笑った

怒りは貴方に向いた
理不尽は貴方のせいにした
くだらないと貴方を笑った
貴方はそんな私を許してくれるだろうか

敵がわからないエゴイズム
心の内に秘めた爪が
誰も傷つけることなく
私の心を切り裂いた

貴方は
そんな私を
笑ってくれるだろうか


自由詩 敵の無いエゴイズム Copyright えこ 2017-10-29 00:35:29
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