冬のアマゾン
ツノル


沼のような底だったと思う
金貨を無くしそれでも
…這い上がらねばと試行錯誤から、身包みを捨てた
沼地が枯れた。
死体が多くて餌には困らないと獣たちはいう
喚起に飲み干される時間ならば停止せよ
やがてくる冬を羊歯の葉が生い茂り
物乞いに鳴く鳥は夜のため息か
薄暗い森を彷徨う瞳
黄金に輝く不死鳥の羽根が、
足もとの影を照らし出すこともない
46億の雨が降る
洗浄は緑の大地を浸し
重い足枷は生き物を繋ぐ
朝も昼も夜も空腹に怯え
恍惚と季節を狼狽えながら暮らすのだ。








自由詩 冬のアマゾン Copyright ツノル 2017-10-29 00:05:24
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