さよなら
もっぷ

春に出会う
あたりまえのように
それが君だった
日々があった

見えるものは見えるもので
見えないものは見えないもので

見えるものを二組の目で見て
二人はたまたま近い気持ちを感じた

夏に始まる
あたりまえのように
それが恋だった
日々があった

見えないものが見えるようになる
二人だけの目にだけ映る
見えないはずの見えるものたち
それはどんどん増えていって
約束や秘密になってゆく

本当に二人だけの、
そこまではまだ幼すぎて
でも教室だとかよりはずっと
二人だけの場所はあるもの

映画館だったり
カフェのいつもの席だったり
大人時間の一歩手前は
それなりな安上がりに二人を満たしてくれた

とっても好きという感情
今となってはそれが君へのだったのか
君との約束や秘密へのだったのか
あるいは安上がりないくつかの場所のことだったのか

秋も冬も
あたりまえのように
廻ってそれが
日々だった

いつの日々にも君がいた頃を
ふり返ってみると

いつも隣り
心が隣り
でもそれは
おんなじ
ってことじゃない

二人は一緒に学びながら
二十歳の門をさりげなく潜って

子供時間とさよならをした



自由詩 さよなら Copyright もっぷ 2017-10-27 18:09:39
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