意識の鏡面
ひだかたけし

眼前に何かある
私の注意を引く何かが
私はその表面の埃を取り除き
それが逢えなくなった娘の顔写真だと気付く
同時に、
私の魂の奥深い処から
娘への郷愁憧憬願望ない交ぜになった
深く錯綜した思いが湧き起こり
『愛する私の娘』という
鮮明な意識が像を結ぶ

知覚の門で
過去からの明確な記憶と
未来からの混沌とした情動が
衝突し渦巻く〈今〉この瞬間に





自由詩 意識の鏡面 Copyright ひだかたけし 2017-10-24 14:42:29縦
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