夕陽を見つめて
星丘涙

老いてゆくこの身を
黄昏の空に
横たえている

怯えているのですか
夢みているのですか

たぶん
どちらも

闇は光を呑み込み
光りは闇を呑み込んで
絶望と希望くりかえす

ほんとうは死んでいるのかも
ふと思い
怯える

死ぬほどの苦しみを通り抜けても
この世で飲み食いをしては
死を恐れている
滑稽だろう
老いるということは

生まれた日を忘れるほど
長い月日
呼吸を繰り返している
使い古した肉体は
よれよれに
くたびれている

孤独な街で安らいだり
幸せの日々に
恥を上塗りしたり
求めたものは
すり抜けて
こぼれ落ちてゆく

永遠を見つめていた
ずっと
これからも

称賛も興奮も
お酒のようなもの
騙されたように堕ちてゆく
それが常で
それでいい

繰り返す日々は
こころのまま
ただ、夕陽を見つめて



自由詩 夕陽を見つめて Copyright 星丘涙 2017-10-22 17:56:49縦
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