いのちを描いて
綠春

流れる血で
自分を 命を 心を
描いてみた

けれど

白いシーツに残ったのは
のたくった赤茶けた染み
いずれ黒くなり
不出来な糊のように固くなるだけ

自分も 命も 心も
きっと名前の付いた曖昧なナニかで
何一つ
特別なんて無いけれど
 

それでも


ただ

愛されたいと

願っただけだったのに


自分も 命も 心も
凪がれる 凪がされる
矮小な ナニか


自由詩 いのちを描いて Copyright 綠春 2017-10-18 21:51:39
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