ひだかたけし

暗闇に浸っている
暗闇に酔っている
ゆったり落ち着く
午前二時二十分に

俺は闇と対峙する
三歳から在る闇と
時が消滅していく
俺は闇に沈みいく
凄く落ち着き払い
俺は墜落していく

悪魔と天使に魂を
捧げ剥き出す己が
闇と共に輪舞する
死に絶えていく生
ぎりぎり限界まで
己をキープし続け
魂の闇を凝視する

獣の匂いが充ちる
釣り合う二匹の獣
平衡が崩れたなら
闇が生動し始める
己を自らの領域に
取り込む欲望の火
夢の中で燃え盛る
幻想幻覚幻聴の渦
次第現に燃え移り
匿名化の粉砕機械
物という物を殺し
死体物質の山又山
次から次に排出し
混沌のっぺらぼう
自意識を占拠する

深夜の暗闇が溶け
雨の音冷たく響く
俺は呪縛を解かれ
ゆっくり体伸ばす
鉛の魂明けに鎮め
ぐったりと覚醒す
午前五時二十五分






自由詩Copyright ひだかたけし 2017-10-16 17:27:33
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