フラグメンツ/連音
AB(なかほど)

6月23日

  このからだのなかに
  ながれているものが
  うそ
  にならないように
  てをあわせます



また、6月23日

  ことしも
  まだなんとかひととして
  いきてます
  あなたのとなえも
  こころからであれと
  てをあわせました



ゆうなんぎい

  いつまでも
  僕の気持ちは
  あの人の心の隙間に
  繋がりたがって
  ゆうなんぎいのいとの
  そよとばかりに



ミンナ草

イッター アンマー マーカイガー (あなたのお母さんはどこいった)
ベーベー ヌ クサ カイガー   (やぎさんの草を刈りに)

  また
  祖母のしわがれた声がかすめてきて
  今度は僕が採りに行こうと決めたのに
  あのミンナ草のある場所さえも 
  もう探せない



サバニ

  やがて
  波の音が聞こえ出すかもしれないので
  確かめるほどでもない
  と言い聞かせ
  足を速めた
  波の音は おーい って
  波の音が おーい って
  小舟の陰では カサカサ って



はんだやー

  よいしょ
  と立ち上がり
  押し入れから炬燵を引っ張り出す
  頬っぺの紅く染まった君の顔が浮かぶたび
  鼻をかんでばかりもいられないので



れのん

  つながっている
  君の心と身体は
  つながっている
  海と月
  のように
  つながっている
  月と細胞
  のように
  つながっている



ほうげんふだ

  そこにやすらぎがあるので
  という理由で
  前に進むことを停めた友へ
  この頃そんな君の落ち着いた顔を見ると
  ちょっとだけ痛い
  先生もやっぱり痛かったのかな



うるま

  ゆうべのなまえ
  にもどっても
  もうそこには
  ぼくんちない
  んだから
  あしたへ
  あしたへあゆんで
  うるま
  うるま
  はじまりのくにへ

  


自由詩 フラグメンツ/連音 Copyright AB(なかほど) 2017-10-15 12:08:03
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