仲間たち。
端沢 紫琴

駅員さんを怒鳴る社長さんは
今ではしわくちゃの
お母さんの子供で
昔はハナ水を
黄色のトレーナーで拭いていたんだって。

そのうち ミサイルで死んじゃうんだって。


ダンボールで眠るお髭のおじさんは
お母さんの顔は知らないけれど
お母さんの子供で
昔はよくお腹を壊して
お父さんのおんぶで家に帰ってたって。

そのうち ミサイルで死んじゃうんだって。


全然違う人たちが
みんな仲良く
そのうち ミサイルで死んじゃうんだって。


どうにも できないから
こわいねって寄り添って
みんなで 助け合ったりするんだって。


そのうち みんな 死んじゃうんだって。


自由詩 仲間たち。 Copyright 端沢 紫琴 2017-09-21 20:08:14
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