力が抜けていく
水菜

力が抜けていく
私の中で
力が抜けていく
自分の子供の失敗やあとを何とかしようとする母親というのはこのような気持なのかと
想像する
わかる、ような気がするから不思議だ
魂のさきが消えるような感覚
私は、この心の動きをなんというかしらない
消えろといわれたことよりもなにか
浮遊していく感情
余りにも軽い 無計画さに 心の塊を失った
無償の愛という言葉がある
魂の結びつきのようなそれはたとえ一方向のものであったとしても
等しく大事な魂なのだ
きっと子供に無償の愛を向ける母親程に
この魂の先が消失するかのような力の抜ける感覚を数多く味わうのだろう
こんな感覚を頻繁に浴びせられれば
そのうち精神から力が抜け
最終的にはきっと死んでしまうと
想像し力なく頬を歪める
このような経験を重ねればきっと人として心から優しくなれるだろうが
きっと同時に死により早く近づくのだろう
私は今日魂の先を消失したのだ
力が抜けていく


自由詩 力が抜けていく Copyright 水菜 2017-09-20 00:52:54
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